切れ痔(裂肛)

切れ痔肛門の皮膚部分である肛門上皮が裂けてしまっている状態です。便秘などで硬く太い便を強くいきんで出す時に発症しやすいのですが、激しい下痢で起こることもあります。
排便時の強い痛みや出血が主な症状です。出血はペーパーに付着する程度で少ないことが多く、痛みも最初は比較的短時間に治まります。ただし、慢性的な便秘があると便秘と切れ痔の両方が悪化しやすくなり、肛門が狭窄してさらに状態を悪化させる悪循環に陥ってしまいます。そのため、便秘がある場合には便秘の治療も並行して受けることが重要になってきます。

切れ痔の進行と症状

初期

排便時に切れますが、出血や痛みは比較的短時間に治まります。軟膏などの保存的療法を行うことで解消しますが、再発を避けるためには便秘の解消も不可欠です。

中期

何度も同じ部分が切れて、傷口が深くなっていきます。周辺に小さなイボができることもあります。このイボは見張りイボと呼ばれます。

慢性切れ痔

何度も切れた部分が瘢痕化して肛門が狭窄してしまいます。肛門が狭くなるとますます排便時に切れやすくなってしまう悪循環につながります。日帰り手術で解消できます。

原因

強いいきみ、便秘が主な原因です。特に再発を繰り返す切れ痔、慢性化する切れ痔は便秘が最大の原因になっています。体質的に肛門が狭い場合には特にリスクが高くなります。症状の改善や再発防止には便秘予防が不可欠です。特にダイエットで食事量が減ってしまうと便秘になりやすいので、医師の指導を受けて便秘を解消するようにしましょう。

治療法

保存的治療

切れ痔は軟膏や内服薬などによる保存的療法の効果が現れやすく、全体の約75%に改善が見られるとされています。再発しやすいため症状が治まっても治療を続け、最大の原因である便秘を含めてしっかり治すことが重要です。

手術

肛門拡張術

肛門の狭窄や緊張を和らげるために、肛門を広げます。

皮膚皮弁移動術

切れている部分に皮膚をかぶせて縫うことで排便時の痛みを防ぎます。肛門を楽に広げられるようになります。

他に、切れ痔と見張りイボを切除して皮膚を再生させる手術などがあります。傷を小さくすることで肛門機能の温存を図ります。

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